オーディオお役立ち情報~マルチアンプについて

オーディオお役立ち情報~マルチアンプについて


オーディオマニアの行きつく先にマルチアンプと呼ばれる方法があります。
ただ最近ではハイエンドマニアでも導入してる人は少ないかもしれません。

たまにお客さんからもマルチアンプの必要性について質問を受けることがあります。
私なりの答えとして、ここではマルチアンプについて書いていきたいと思います。

マルチアンプとは?簡単な説明


2ウェイスピーカーだとツイーターとウーハーが付いています。
高音と低音を出すスピーカーユニットの事です。

入力端子から入った信号は、ネットワークと呼ばれる部分で高域と低域をカットします。
そうしないとツイーターが故障するし、また各ユニットの音がダブってしまうからです。

そのネットワークを介さないで、アンプから各ユニットに直接接続する方法が、
マルチアンプと言います。

その際、チャンネルデバイダーと呼ばれる機器で、各帯域を分ける必要があります。
チャンネルデバイダーはプリアンプとパワーアンプの間に接続する必要があります。
つまり、セパレートアンプを使う必要があります。

構成を簡単に説明するとこうなります。
プリアンプ→チャンネルデバイダー→パワーアンプ→各ユニット

その際2ウェイスピーカーだとパワーアンプは2台必要で、3ウェイだと3台必要です。
なのでやり方によっては滅茶苦茶金が掛かります。

また最近はマルチアンプ対応のスピーカー自体が無いので、自作スピーカーが大半です。
恐らくほとんどの人は、業者さんにエンクロージャーを造って貰ってると思います。

マルチアンプは実はかなり難しい


マルチアンプはある程度知識がなければ難しく、一般の方には全くお勧めできません。
金額も跳ね上がりますし、機器が多い分場所も取ります。

それでいて2ウェイならまだしも、3ウェイ以上になると難易度が跳ね上がります。
多分素人の人がやっても、まともな音は出せないと思います。

その際専門業者を呼んで、計測機器を使いながら設定してもらうことになります。
素人では良い音を出すのが難しいのが、マルチアンプの特徴です。

試すならオンキヨーのセプター10みたいな、2ウェイのスピーカーがお勧めです。
2ウェイなので設定もやり易く、金額も安く済みます。

https://audio-heritage.jp/ONKYO/speaker/scepter10.html
マルチアンプも対応しているスピーカーです。

70年代のスピーカーはマルチアンプに対応している機種は多いですが、
80年代以降は需要が無かったのか、ほとんど無くなったように思います。

マルチアンプは逆に音が悪くなることがある


マルチアンプは難しい上に、なかなか良い音を出すことが難しいです。
普通に考えればマルチアンプの方が音が良くなりそうですが、実際はそうはいきません。

普通にプリメインアンプで音を鳴らした方が音が良かったとかザラにあります。
設定が難しい上に、パワーアンプと各ユニットとの相性が悪いとかもあるからです。

これは私の経験則ですが、昔自宅でセプター10でマルチアンプをしていました。
その後セプター10を店舗事務所に持ち込んで、自分でネットワークをメンテしました。

そして、メンテしたセプター10を普通にプリメインアンプで鳴らしてみました。
なんと!普通に鳴らした方が音が遥かに良かったのです!!
この経験があり、マルチアンプは本当に良いのだろうか?という疑問が生まれました。

次にこれは他人の話ですが、もうかなり昔の事なので書いておこうと思います。
以前、1500万以上かかってるであろうマルチアンプシステムを聴いた事があります。

スピーカーはJBLのユニットを使った4ウェイ構成で、箱は恐らく業者の作成。
アンプとチャンネルデバイダーは確かB社の高級真空管アンプ。

ご本人は自慢げに聴かせてくれましたが、はっきり言って酷い音でした。
てんでバラバラの音でまとまりが無く、何を主張したいのか判らない。

なんかスコーカーから思いっきり雑音が聴こえるし、良いのは低音が出る事のみ。
恐らくプロがくみ上げてるシステムだと思いますが、プロがやってもこの程度です。

この音をご本人は本当に良い音だと思ってるのか謎ですが、あれは酷かったです。
これだったらTADのスピーカー買っといた方が、絶対に良い音だと思うのですが。

変にブランドとかマルチアンプに拘ると大失敗するという例です。
また自作スピーカーは業者が作っても、メーカーのスピーカーよりも数段劣ります。

マルチアンプは基本的に必要なし


以上の事からマルチアンプは非常に難しく、良い音を出すのは至難の技なのです。
それにスピーカーのネットワークが良ければ、マルチアンプの必要は無いと思います。

マルチアンプはチャンデバとパワーアンプと各ユニットとの相性が上手く嵌り、
尚且つ設定が上手くいった場合にのみ良い音が出せるのです。
そう考えるとかなり難しいと言えます。

相当金を持っているか忍耐が無い限り、まず手を出す必要は無いと思います。
それでもやってみたい場合は、2ウェイのシンプルなスピーカーで試しましょう。

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